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四十肩・五十肩に関するQ&A!専門家が答える一般的な質問集

四十肩・五十肩に関するQ&A!専門家が答える一般的な質問集

四十肩と五十肩の違いは?

四十肩・五十肩は別名で病態に違いはなく、症状名は肩関節周囲炎です。

肩関節周囲炎は、肩の痛みと動きの制限を特徴とする一般的な状態で、主に40歳から60歳の間に発症することから「四十肩」「五十肩」という名前がついていますが、実際にはこの年齢範囲に限定されるわけではありません。

五十肩は、肩関節を取り巻く組織の炎症と拘縮によって、肩の可動域が著しく制限される病態を指します。

五十肩の典型的な症状は何ですか?

背中の画像五十肩、医学用語では肩関節周囲炎として知られている状態は、その名が示す通り、主に50歳前後で発症することが多いですが、40歳から60歳の間で見られることが一般的です。この病態は、痛みと肩の動きの制限が主な特徴で、次第に日常生活に支障をきたす可能性があります。

五十肩の典型的な症状を理解することは、早期発見と治療のために不可欠です。

痛み

五十肩の最も一般的な症状は痛みです。

この痛みは、初期段階では肩の外側に発生し、夜間や肩を動かす際に特に強くなることがあります。

痛みは徐々に悪化し、腕を上げたり後ろに回したりする単純な動作さえも困難になり得ます。

肩の痛みは時に腕に放散し、手首や指まで感じることもあります。

動きの制限

五十肩のもう一つの主な特徴は、肩の動きの制限です。

これは「凍結肩」とも呼ばれ、肩関節の柔軟性が失われ、腕を動かす範囲が限定されます。

最初は軽度の不快感から始まりますが、時間と共に肩の可動域は著しく制限され、最終的には腕を頭の上に持ち上げることすらできなくなることがあります。

硬直感

多くの患者様は、肩に一定の硬直感を報告します。

これは、特に長時間同じ姿勢でいた後、朝起きた時に顕著になります。

硬直感は、肩の周りの筋肉や靭帯など軟部組織が炎症を起こし、硬くなることで発生します。

睡眠障害

五十肩を患っている人々は、しばしば睡眠障害を経験します。

特に、患側に寝ると痛みが増すため、快適な睡眠姿勢を見つけることが難しくなります。

痛みによって夜間に何度も目覚めることがあり、これが日中の疲労感につながることもあります。

五十肩の治療法にはどのようなものがありますか?

肩治療風景五十肩、または肩関節周囲炎の治療は、痛みの軽減と肩の動きの回復を目指します。治療方法は患者様の症状の重さや痛みの度合い、生活スタイルによって異なります。

多くの場合、五十肩は保存的治療(手術なし)によって改善します。

以下の方法が一般的です。

物理療法

物理療法士や理学療法士による指導の下、特定のストレッチや強化エクササイズが処方されます。

これらのエクササイズは、肩の可動域を徐々に回復させ、痛みを和らげることを目的としています。

痛み管理

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬物による治療が、痛みと炎症の管理に用いられることがあります。

重度の痛みの場合は、コルチコステロイドの注射が検討されることもあります。

温熱/冷却療法

痛みや腫れを管理するために、温めやアイシングの使用が推奨される場合があります。

これらは血流を改善し、炎症を抑える効果が期待できます。

適切な休息

過度の負担を避け、肩を適切に休ませることが重要です。

しかし、完全な安静は避け、定期的に軽い動作やエクササイズを行うことが推奨されます。

鍼治療や整体治療

患者様のなかでは、鍼治療や整体治療が痛みの緩和に役立つことが報告されています。

これらの方法は、従来の治療に加えて用いられることがあります。

関節鏡手術

保存的治療による改善が見られない場合や、重度の場合には、関節鏡手術が検討されることがあります。

関節鏡を用いて肩関節内の炎症組織を除去し、肩の可動域を回復させることが目的です

自宅でできる五十肩のリハビリエクササイズはありますか?

肩ストレッチ画像五十肩の治療と回復過程において、自宅で行うリハビリテーションエクササイズは非常に重要です。

これらのエクササイズは、痛みの管理と肩の可動域の向上を目的としています。

正しい方法で行うことで、症状の軽減と早期回復を促進することができます。

以下は、五十肩の患者様が自宅で行えるいくつかの基本的なリハビリテーションエクササイズです。

肩甲骨体操

肩甲骨体操1.肩に手を置きます。
2.腕を後方にまわし肩甲骨をうごかす。
3.肩甲骨の動きを感じながら、10回程運動します。
※痛みが出ない程度で、ゆっくりと可動域を上げていきます。

ペンデュラムエクササイズ

1.腰をかがめ、患側の腕をリラックスさせてぶら下げます。
2.腕を時計の振り子のようにゆっくりと前後左右に動かします。
3.痛みを感じない範囲で、腕を円を描くように動かします。

タオルストレッチ

タオルストレッチ一本のタオルを使います。

1.一方の手でタオルの一端を持ち、もう一方の手でタオルの他端を背中越しに持ちます。
2.健側の腕(良い方)でゆっくりとタオルを引き上げ、患側の腕(五十肩)を背中の方へと引き上げます。
3.痛みが許す範囲でストレッチを行い、数秒間その位置を保持します。

ウォール指先運動

壁指先運動
1.指先を壁につけます。
2.指先で壁を歩くようにして、ゆっくりと手を上げていきます。
3.可能な限り手を上げたら、同じようにして手を下げていきます。
※肩・腕の痛みが強まらない範囲で行ってください。

胸筋ストレッチ

胸筋ストレッチ1.壁に手を置きます。
2.一方の足を前に出して、胸を張るように体重をかけて前に進みます。
3.胸と肩の前側がストレッチされるのを感じながら、数秒間その姿勢を保持します。
4.痛みがないように、ゆっくりと力を抜いて元の位置に戻ります。

注意点

・五十肩のリハビリテーションエクササイズを行う際は、痛みを悪化させないことが最も重要です。痛みを感じた場合は、直ちにエクササイズを中止してください。

・エクササイズは、専門家の指示のもと、正しいフォームで行うようにしてください。症状や可動域に応じて、エクササイズの種類や強度を調整することが重要です。

・日常的にエクササイズを続けることで、徐々に痛みが軽減し、肩の動きが改善されます。

五十肩のリハビリテーションエクササイズを適切に行うことで、痛みの軽減と肩の機能回復が期待できます。

専門家と密接に連携しながら、自宅でのエクササイズを有効に活用してください。

五十肩で運動を続けることは可能ですか?

ウォーキングする画像五十肩による痛みと可動域の制限は、日常生活や運動習慣に大きな影響を及ぼすことがあります。

しかし、適切な注意を払いながら運動を続けることは、症状の管理と回復過程を促進する上で非常に重要です。

五十肩で運動を続ける際のポイントと推奨される運動について解説します。

医師や専門家のアドバイスを求める

五十肩の症状がある場合、運動を始める前に医師や専門家に相談し、個別のアドバイスを受けることが重要です。

痛みを悪化させない

運動中に肩に痛みを感じたら、すぐにその運動を中止してください。

痛みを引き起こす活動は避け、痛みがない範囲で運動を続けることが重要です。

温かいアップ

運動前には肩を温め、軽いストレッチで筋肉をほぐしてから運動を始めると良いでしょう。

これにより、筋肉の柔軟性が向上し、怪我のリスクが減少します。

推奨される運動

【水中ウォーキングや水泳】
水の中での運動は、関節にかかる負担を軽減しながら筋肉を鍛えることができます。

特に水中ウォーキングは、安全に全身を動かすことができるため、五十肩の方におすすめです。

【ウォーキング】
地面に足を着けて行うウォーキングも、全身の血行を促進し、体力の維持に役立ちます。

肩に過度な負担をかけずに行えるので、五十肩の方でも安心です。

【軽いストレッチ】
肩の筋肉や周辺の組織の柔軟性を保つために、軽いストレッチを行うことが推奨されます。

ただし、ストレッチは痛みを感じない範囲でゆっくりと行ってください。

五十肩であっても、症状を悪化させない範囲で適切に運動を続けることは可能であり、推奨されています。

運動によって筋肉が保たれ、血流が改善され、肩の柔軟性が向上することで、症状の改善に繋がります。

医師や専門家の指導のもと、自分に合った運動プログラムを見つけ、五十肩の回復に向けて積極的に取り組んでいきましょう。

五十肩は完全に回復しますか?

五十肩イメージ画像五十肩は多くの中高年に影響を及ぼす一般的な状態であり、適切な治療と管理を行うことで、多くの患者さんが症状の軽減と機能の回復を達成しています。

しかし、「五十肩は完全に回復するのか?」という疑問は、多くの患者さんが持つ一般的な懸念です。

この質問に対する答えは、個人の状況によって異なりますが、以下の情報が参考になるでしょう。

五十肩の回復過程

五十肩の治療過程は、通常、「炎症の管理」「痛みの緩和」「可動域の回復」という段階を経ます。

多くの場合、適切な治療とリハビリによって、肩の機能は大幅に改善し、日常生活への復帰が可能になります。

しかし、完全な回復には数ヶ月から時には1年以上かかることもあり、患者さんの状態や治療への反応によって回復の程度は異なります。

回復を促進する要因

【早期治療】
症状が現れたら早めに専門家に相談し、適切な治療を始めることが重要です。

早期に治療を開始することで、痛みの悪化を防ぎ、より早い回復を促進できます。

【リハビリテーションの継続】
専門家の指導のもとで行うリハビリテーションエクササイズは、肩の可動域を徐々に改善し、筋肉の強化をサポートします。

定期的かつ継続的なエクササイズが回復には不可欠です。

【適切な自己管理】
痛みの管理、適切な休息と活動のバランス、日常生活での肩の保護など、自己管理の取り組みも回復に重要な役割を果たします。

完全回復の見通し

多くの患者さんでは、適切な治療と管理によって、五十肩は時間とともに大きく改善します。

しかし、「完全な回復」の定義は個人によって異なり、一部の患者さんでは、特に重度の場合、軽度の痛みや可動域の制限が残ることもあります。

このため、期待を現実的に保ちながら、治療プランに忠実に従い、専門家と密接に連携することが重要です。

【結論】
五十肩の治療と回復は個人差があり、多くのケースで大幅な改善と機能の回復が見込まれますが、完全回復までの時間や程度は患者さんの状況によって異なります。

専門家の指導のもと、積極的な治療とリハビリテーション、そして忍耐が回復への鍵となります。

五十肩を予防する方法はありますか?

予防イメージ画像五十肩は中高年に多く見られる症状であり、しばしば痛みと可動域の制限を伴います。

完全に予防する方法は確立されていませんが、リスクを低減させるための対策を講じることは可能です。

以下では、五十肩の発症リスクを減らすための予防策について紹介します。

定期的な運動とストレッチ

【筋力トレーニング】
肩周りの筋肉を強化するエクササイズを行うことで、肩関節をサポートし損傷のリスクを減らすことができます。

週に数回、専門家の指導のもとで行うのが理想的です。

【ストレッチ】
日常的に肩周りのストレッチを行うことで、柔軟性を保ち、肩の動きをスムーズに保つことができます。

特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合には、定期的にストレッチを行うことが重要です。

正しい姿勢の維持

【姿勢の改善】
長時間にわたる不適切な姿勢は、肩への過剰なストレスを引き起こし、五十肩のリスクを高めます。

デスクワークの際には、背筋を伸ばして肩をリラックスさせるよう意識しましょう。

負担のかからない生活習慣

【重いものの持ち運びを避ける】
重量のあるものを持ち運ぶ際には、適切な方法で持ち上げ、肩への負担を最小限に抑えるようにしましょう。

【過剰な肩の使用を避ける】
過剰な肩の使用や、反復する特定の動作は、肩関節への負担を増加させます。

肩への負担が予想される活動を行う際には、適宜休憩を取り、肩へのストレスを管理しましょう。

五十肩を完全に予防することは難しいかもしれませんが、上記の予防策を取り入れることで、リスクを減らし、より健康的な肩の状態を維持することができます。

日常生活の中でこれらのポイントを意識し、肩への負担を最小限に抑える生活習慣を心がけましょう。

【結論】五十肩と上手に付き合うために

専門家のアドバイス五十肩は肩の痛みと動きの制限をもたらします。

この症状は日常生活に影響を及ぼすことがありますが、適切な対策と管理により、その影響を最小限に抑えることが可能です。

五十肩と上手に付き合うためには、以下のポイントを心がけましょう。

早期認識と適切な治療

五十肩の症状が現れたら、早期に専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

自己診断や自己治療ではなく、医師や専門家の指導のもとで、痛みの管理と肩の可動域を改善するためのプランを立てましょう。

定期的なリハビリと運動の継続

五十肩の治療には、定期的なリハビリと適切な運動が不可欠です。

自宅で行えるストレッチや強化エクササイズは、肩の機能を回復し、再発を防ぐために役立ちます。

痛みを伴わない範囲でこれらの運動を継続することが大切です。

生活習慣の見直し

長時間のデスクワークや不適切な姿勢・過剰な肩の使用など、五十肩のリスクを高める生活習慣を見直しましょう。

適切な姿勢を心がけ、肩への負担を軽減するための工夫を日常生活に取り入れることが重要です。

ストレス管理

ストレスも肩の痛みを悪化させる要因の一つです。

リラクゼーションテクニック・趣味の時間・適度な運動などを通じてストレスを管理し、心身の健康を維持しましょう。

長期的な視点の維持

五十肩の治療と回復は時間がかかることがあります。

症状の改善には忍耐が必要ですが、適切なケアと継続的な努力によって、多くの患者さんは肩の機能を回復し、再び日常生活を楽しむことができます。

経過を追って定期的に専門家を訪れ、治療プランの調整やアドバイスを受けることが有効です。

まとめ

五十肩と上手に付き合うためには、適切な対処法・定期的なケア・そしてポジティブな長期的な視点が必要です。

五十肩の経験は個人差がありますが、正しいアプローチと継続的なケアにより、健康な肩の機能を維持し、痛みを乗り越えることができます。

諦めずに五十肩と向き合って頂ければ幸いです。

山田院長

この記事を書いた人

山田 和也
1974年5月30日生まれ。北九州市小倉南区出身。
【保有資格】
柔道整復師(国家資格)
【経歴】
山口県下関市の整骨院で院長として4年勤務後、地元である北九州市小倉南区で整体院を開業する。臨床経験15年・延べ33450人の施術を行う。(令和6年4月現在)