【四十肩・五十肩の再発を防ぐ】3つの筋のエクササイズ(僧帽筋・広背筋・胸筋)
何度も繰り返す「四十肩・五十肩」その本当の原因とは?
「治ったはずなのに、また痛みが出てきた」
「以前より腕は上がるようになったけれど、また最近ズキッと痛む」
そんな声は整体院でも非常に多く聞かれます。
四十肩・五十肩は一度治ったように感じても、再発しやすい特徴があります。
その理由は、肩の痛みが「関節の炎症」だけでなく、使わなくなった筋肉の硬さに隠れているからです。
原因は関節ではなく筋肉のサボり癖
肩の関節そのものは、意外と早く炎症が治まることが多いです。
それでも「動かすと痛い」「上げづらい」が残るのは、肩まわりの筋肉が硬くなり、関節が正しく動かない状態になっているためです。
つまり、痛みが消えても筋肉がサボったままだと、また同じように動きが制限され、再発してしまうことがあるのです。
肩を支える3つの筋がカギ
特に大切なのが、次の3つの筋肉です。
肩甲骨まわりの筋肉(僧帽筋・菱形筋など)
→肩の土台。ここが固まると腕がスムーズに動かない。
広背筋(背中の大きな筋肉)
→腕を引く・上げるときに働く。座り姿勢が長い人ほど固まりやすい。
胸筋(大胸筋・小胸筋)
→肩を前に引っ張る筋肉。猫背や巻き肩の原因にも。
これらの筋肉はすべて肩関節の動きをサポートするチームのような存在です。
どれか1つが硬くなれば、他の筋肉も動きづらくなり、結果として「また肩が痛い」という状態を繰り返します。
痛みが取れた今こそ始めるべき再発予防
多くの方が「もう痛くないから大丈夫」と思い、ケアをやめてしまいます。
しかし実際には、痛みが取れた後が本当のスタートラインです。
炎症が落ち着いたあとにこそ、硬くなった筋肉を動かし、柔軟性を取り戻すことが再発防止につながります。
「肩の痛みがない=治った」ではなく、「肩が自然に動くようになった=回復した」と考えることが大切です。
肩の動きを支える3つの筋とは?
実は四十肩・五十肩の原因は、肩そのものだけではありません。
実は、肩の動きを支えているのは背中・胸・肩甲骨まわりの3つの筋肉です。
これらの筋肉がチームのように連動して動くことで、腕はスムーズに上がり、日常の動作(洗濯・ドライヤー・着替えなど)が痛みなく行えます。
どれか1つでも硬くなると、他の筋肉が代わりに頑張りすぎ、バランスが崩れて再発につながります。
それぞれの筋肉がどんな役割を担っているのかを説明します。
①「肩甲骨まわりの筋肉」肩を動かす土台

肩甲骨は、いわば肩の動きの基礎となる土台。
肩甲骨の周りには、僧帽筋(そうぼうきん)・菱形筋(りょうけいきん)などがあり、腕の動きを安定させています。
しかし、猫背や巻き肩が続くとこの部分がガチガチに固まり、肩甲骨の動きが制限されてしまいます。
肩甲骨が動かないと、肩関節だけで腕を上げることになり、負担が集中。
これが「腕を上げると痛い」「背中に手が回らない」といった症状を引き起こします。
肩甲骨をやわらかく保つことは、肩全体をスムーズに動かすための第一歩です。
②「広背筋」背中で肩を引く支え役

広背筋(こうはいきん)は、背中の下部から脇の下にかけて広がる大きな筋肉です。
腕を引く・持ち上げるなどの動作に深く関係しています。
デスクワークや運転で背中が丸まり、同じ姿勢が続くと、この筋肉はどんどん使われなくなります。
広背筋が硬くなると、肩甲骨を動かす余裕がなくなり、肩を引く動作がぎこちなくなるのです。
広背筋を動かすことで、背中の血流も改善し、肩甲骨や腕の動きもスムーズに。
つまり、背中を動かす=肩の可動域を広げることにつながります。
③「胸筋」肩を前から支えるバランス調整役

胸の前にある大胸筋・小胸筋は、腕を前に出すときに働く筋肉です。
デスクワークやスマホ操作などで前かがみの姿勢が続くと、この胸筋が短縮し、肩が前に引っ張られる「巻き肩姿勢」をつくります。
胸筋が硬くなると、肩甲骨が外側に開きっぱなしになり、結果的に「肩がこる・首が重い・背中が張る」などの不調が出やすくなります。
胸筋をゆるめて胸を開く姿勢を意識することで、肩甲骨が自然な位置に戻り、姿勢も呼吸も深く軽くなるのです。
3つの筋肉をバランスよく動かすことが再発防止の鍵
「肩甲骨・広背筋・胸筋」この3つは、まるで三角形のように肩の動きを支えています。
どれか一つでも固まると、他の筋肉が過剰に働いてしまい、再び炎症や痛みを引き起こします。
逆に、これらをバランスよく動かすことで、肩はしなやかに動き、再発を防ぐ「安定した肩」が手に入ります。
肩甲骨・広背筋・胸筋を動かしてもう痛まない肩へ
四十肩・五十肩を繰り返す人に共通するのは、筋肉を動かしていない時間が長いこと。
「痛みが怖くて動かさない」→「筋肉が固まる」→「また痛くなる」という悪循環に陥ります。
ここでは、1日10分もかからずに肩全体を動かせる3ステップのエクササイズを紹介します。
「強く伸ばす」より「呼吸と合わせてゆるめる」を意識して行いましょう。
Step1肩甲骨リリース

▸やり方
- 1.両手を体の後ろに回します。
- 2.背中の後ろで手をつなぐように指を組みます。
- 3.息を吸いながら胸を開き、肩甲骨を寄せて5秒キープします。
- 4.吐きながらゆっくり元に戻します。
これを5回繰り返すだけでも、背中の奥がじんわり温かくなります。
▸ポイント
- ・肩を上げず、背中で引くイメージで肩甲骨を動かす。
- ・呼吸を止めないこと(酸素が入らないと筋肉が硬くなります)。
- ・痛みがある場合は可動範囲を小さくしてOK。
▸効果
肩甲骨を寄せることで、背中の僧帽筋や菱形筋が動き出します。
これにより、猫背・巻き肩の改善にもつながり、肩関節がスムーズに動くようになります。
また、血流が上がることで筋肉のこわばりが解け、「重だるさ」も軽減します。
▸ワンポイントアドバイス
デスクワークの合間に椅子に座ったまま行うのも効果的。
1分で背中がスッと軽くなり、集中力も上がります。
Step2広背筋ストレッチ

▸やり方
- 1.両手を頭の上に上げ、指を組みます。
- 2.息を吸いながら、背筋をまっすぐ伸ばして姿勢を整えます。
- 3.息を吐きながら、上半身を斜め前に倒し背中から脇の下にかけて伸びているのを感じます。
- 4.その姿勢のまま、10〜15秒キープしたらゆっくり戻します。
▸ポイント
- ・腰が丸まらないように意識する。
- ・肩をすくめず、首をリラックスさせる。
- ・痛みが出る場合は角度を浅くする。
▸効果
広背筋を伸ばすことで、腕を引く動作がしやすくなり、「洗濯物を干す」「上着を着る」といった日常動作がラクになります。
さらに、背中全体の血流が良くなるため、肩甲骨も動きやすくなる相乗効果があります。
▸ポイントメッセージ
「肩が引けない」「背中が丸まる」という人ほど、このストレッチが必要です。
固まっていた背中が動くことで、自然に姿勢が伸びる感覚を身体で実感できます。
Step3胸筋ストレッチ

▸やり方
- 1.壁の横に立ち、片手の手のひらを壁につけます。
- 2.手は壁につけたまま、体をゆっくり壁から離す方向へひねります。
- 3.胸の前や肩の前側が伸びたところで、10秒キープします。
- 4.ゆっくり元に戻し、反対側も同じように行います。
▸ポイント
- ・胸を無理に反らさず「胸が開く感覚」を大切に。
- ・肩に痛みがある場合は手の位置を少し下げる。
▸効果
胸筋をゆるめることで、前に引っ張られていた肩が元の位置に戻り、姿勢のバランスが整います。
また、胸が開くと呼吸が深くなり、首・肩・背中への負担も軽減。
特にデスクワークやスマホ時間が長い人には、巻き肩予防+リラックス効果が期待できます。
▸プラスワン習慣
入浴後や就寝前に行うと、身体が温まっていて筋肉が伸びやすく効果的。
「お風呂→ストレッチ→深呼吸」を1セットにすることで、睡眠の質の向上にもつながります。
3つの筋肉をつなぐ連動エクササイズ
「僧帽筋・広背筋・胸筋」これらはバラバラに動かすのではなく、連動させることが大切です。
背中を動かして、胸を開く。
この流れができると、肩関節の動きが自然に滑らかになります。
「肩を動かす」ではなく、「背中と胸をつなげる」意識で行うと、再発防止の効果が格段に上がります。
日常生活で意識したい肩を守る姿勢習慣
再発予防のカギは日常動作にあり肩をどれだけストレッチしても、普段の姿勢が悪ければすぐ元に戻ります。
肩まわりの筋肉を守る最大のポイントは、「使い方を変える」こと。
つまり、動かした筋肉を日常の中でも正しく使う習慣が必要です。
「意識せずラクに良い姿勢を保てる身体」を目指して、まずは避けたい3つのNG姿勢から見ていきましょう。
NG姿勢①「猫背」背中が丸まると肩が前へ引っ張られる
猫背になると、背中の筋肉(肩甲骨まわり)が伸ばされっぱなしになり、逆に胸の筋肉が縮んで固まります。
このバランス崩れが「肩の動きづらさ」や「首こり」を引き起こす原因。
対策
- ・座るときはみぞおちを少し前に出す意識で背筋を伸ばす。
- ・1時間に一度は肩甲骨を回してリセット。
NG姿勢②「巻き肩」腕が内側にねじれるクセ
巻き肩は、スマホやPCの長時間使用で起こりやすい姿勢。
腕が内にねじれ、肩甲骨が外に開きっぱなしになります。
この状態が続くと、肩が上がらない・腕がしびれるなどのトラブルにつながります。
対策
- ・デスクワーク時は肘を身体の横に軽くつける意識。
- ・肩を丸めない意識。
NG姿勢③「片側荷重」身体の左右差が肩を壊す
カバンをいつも同じ側で持ったり、片足に体重をかけて立つクセ。
これも四十肩・五十肩の再発リスクを高める要因です。
左右どちらかの筋肉だけが引っ張られ、肩関節の位置がずれてしまいます。
対策
- ・バッグは両肩で交互にかける。
- ・立っているときは両足に体重を均等に乗せる。
デスクワーク中にできるミニエクササイズ
肩に負担をかけないコツは、「こまめに動かす」こと。
特別な時間を取らなくても、仕事の合間の1分習慣で十分効果があります。
1時間に1回
椅子に座ったまま、肩甲骨を5回まわす。
休憩時に
立ち上がって両手を上に伸ばし、背伸び10秒。
メール送信の合間に
肩甲骨を寄せて3秒キープ。
これだけで、筋肉の「固まり」を防ぎ、再発しにくい肩を保てます。
バッグ・スマホ・寝姿勢にも注意
肩の負担は、意外なところからも積み重なります。
バッグ
重い荷物を同じ側にかけない。リュックやショルダーは交互に使用。
スマホ
目線を下げず、画面を顔の高さまで上げる。
寝姿勢
高すぎる枕は首・肩を圧迫。横向き時は抱き枕を使うと◎。
姿勢を直すより整える
「姿勢を正す」と意識しすぎると、かえって力が入り、肩が緊張します。
大切なのは、自然にラクに整う姿勢を身につけること。
1日数回の意識と小さな動きが、四十肩・五十肩の再発を防ぐ最も確実な習慣になります。
柔道整復師が伝えたいエクササイズの続け方
四十肩・五十肩の改善は、一度動かして終わりではありません。
痛みが落ち着いたあとに動かす習慣を続けられるかどうかが、再発を防ぐ分かれ道です。
大切なのは「今日はやるぞ」と意気込むことではなく、無意識でも続けられる環境をつくること。
たとえば、
- ・朝の支度の前に1分だけ肩を回す。
- ・テレビのCM中に背伸びをする。
- ・入浴後にタオルストレッチをする。
といった生活の一部に組み込む工夫が、続ける秘訣です。
強く動かすより気持ちいい範囲を優先
痛みを感じるほど強く動かすのは逆効果。
筋肉や関節は「安心できる動き」でこそ緩み、可動域が広がっていきます。
「痛気持ちいい」程度を目安に、呼吸を止めずに動かすことがポイントです。
もし肩が硬い日があっても、それは身体の防御反応。
焦らず、その日の体調に合わせる柔軟さを持ちましょう。
痛みが出たときはリセットが正解
再発や違和感を感じたときに無理をして続けると、炎症がぶり返すことがあります。
そんなときは、一度エクササイズを休み、温める・姿勢を整える・深呼吸をするなどの軽いケアに切り替えてください。
身体が落ち着いたら、再び「肩甲骨→背中→胸」の順で少しずつ再開。
段階的に戻すことで、痛みを恐れずに継続できます。
定期的なケアで「動かせる肩」を維持する
一度よくなっても、肩まわりの筋肉は年齢とともに硬くなりやすい部位。
定期的にケアを入れることで、再発しにくい身体をキープできます。
整体やストレッチ専門のケアを受けることで、セルフエクササイズでは届かない深部の筋肉も整い、動きがスムーズになります。
小さな積み重ねが大きな結果に
エクササイズは「やる気」ではなく「生活の一部」にすることが成功の秘訣。
毎日数分でも動かし続けることで、再発を防ぎ、軽く動かせる肩を維持できます。
「無理せず、少しずつ、でもやめない」それが、本当の治し方です。
3つの筋を動かしてもう痛まない肩を育てよう
四十肩・五十肩は、一度良くなっても再発しやすい症状です。
しかし、肩甲骨・広背筋・胸筋の3つをバランスよく動かすことで、再び痛まない「しなやかな肩」を育てることができます。
筋肉は使わないと硬くなり、動かすほど血流が良くなります。
つまり、「動かす=治す」に直結しているのです。しかし、過剰なやりすぎはNGです。
1日3分でできる再発予防
長時間の運動や特別な器具は必要ありません。
「肩を回す・胸を開く・背中を伸ばす」1日3分の積み重ねが、関節をなめらかに保ち、再発のリスクを大きく減らします。
大切なのは「無理をしないこと」と「続けること」。
強く伸ばさず、気持ちいい範囲で毎日少しずつ動かすことが、最も確実なケア方法です。
痛みのない今こそ整えるチャンス
「もう痛くないし大丈夫」と油断した時こそ要注意です。
筋肉は動かさない時間で少しずつ硬くなります。
だからこそ、痛みが落ち着いた今が、身体を整える最高のタイミング。
明日の肩を守るために
今日からできることは、たった3分動かすこと。
肩をほぐし、姿勢を整え、呼吸を深める。
このシンプルな習慣が、「もう痛まない肩」への最短ルートです。
あなたの肩は、まだまだ良くなります。
未来のために、今日から少しずつ動かしていきませんか?

この記事を書いた人
山田 和也
1974年5月30日生まれ。北九州市小倉南区出身。
【保有資格】
柔道整復師(国家資格)
【経歴】
山口県下関市の整骨院で院長として4年勤務後、地元である北九州市小倉南区で整体院を開業する。臨床経験15年・延べ33450人の施術を行う。(令和6年4月現在)
