腰椎椎間板ヘルニアの原因と症状、改善、ケア方法
人間は腰に異常をきたすと、途端に様々な動作が出来なくなり日常生活にも影響が出てしまいます。
「腰を据える」という言葉があるように、腰は行動する際に最も重要な部位なのです。
しかし、現代人にとって腰痛は「国民病」と言える程身近な疾患であり、多くの人が腰痛の悩みを抱えながら暮らしているのが現状です。
そんな腰痛の原因の中でも、特に多いとされているのが「腰椎椎間板ヘルニア」です。
日本人の約1%の人が腰椎椎間板ヘルニアを患うと言われていて、特に20代~40代の男性に多い疾患となっています。
この記事では、そんな「腰椎椎間板ヘルニアの原因と症状、改善、ケア方法」について解説していきたいと思います。
腰椎椎間板ヘルニアの原因と症状
腰椎椎間板ヘルニアの「腰椎」は、脊椎の下側にある5個の椎体で構成された部位です。
5個の椎体の間には、それぞれに椎間板があります。
椎間板は、水分を多く含んだゼリー状の「髄核」と、その髄核を取り囲む線維輪と言う軟骨組織で構成されています。
この線維輪が弾力を失い、小さな亀裂が入るなどして髄核の一部が外に出てしまい神経を圧迫することによって腰痛が発生するのです。
痛みの伴う腰痛を放置してしまうと、さらに髄核が飛び出し強い痛みを引き起こしてしまうのです。
長時間前かがみや中腰でいたり、腰をひねったり、重いものを持ち上げたり運んだりすると、発症するリスクが高まります。
特に20代30代の若い男性は、無理な態勢で物を持ち上げたり、運んだりしてしまうことが多いですよね。
また、40代の男性も、若いころの感覚がまだ完全に抜けていないので、勢いで持ち上げたり運んでしまうことがあったりするものです。
腰椎椎間板ヘルニアになってしまうと、腰の痛みだけではなくお尻や脚にも痛みを感じるようになります。
両足が痛くなることはなく、左右どちらかの太ももから膝にかけて激しい痛みを伴う坐骨神経症併発するケースが多いのです。
痛みだけでなくしびれが起こることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアの改善、ケア方法
もしも腰椎椎間板ヘルニアと診断されたならば、「保存療法」もしくは「手術療法」のどちらかを選択する事となるでしょう。
保存療法では、激しい痛みを抑えるために「神経ブロック注射」を行います。
また、非ステロイド性の消炎鎮痛薬や筋弛緩剤といった「薬物療法」を行うこともあります。
痛みがある程度落ち着くと、周りの筋肉を強化したり専用の器具を使い体を牽引する「理学療法」を行うことになります。
手術療法を行う場合は、背中側を切開しヘルニアを切除する「後方椎間板切除術」や、金属などで骨を固定する「椎体間固定術」、背中を切開せずにヘルニアを切除する「経皮的椎間板療法」といった方法の中から選択します。
また、日常生活の中でも、自分自身で腰椎椎間板ヘルニアをケアすることができます。
- 長時間同じ姿勢をとり続けない。
- 重いものを持ち上げる時は、腰落として自分の方へ引き寄せてから持ち上げる。
- 無理のない程度に背筋や腹筋を鍛える(筋肉が天然のコルセットとなる)。
- 無理のない程度にストレッチを行い柔軟性をつける。
- 体重管理をしっかり行い腰にかかる負担を減らす。
- 整体院や治療院などで日々ケアを行う。
というようなことが挙げられます。
治療院に関しては、施術者にお任せする形となりますが、それ以外のケアは自分自身で行うことができます。
最後に
今回は、腰椎椎間板ヘルニアの原因と症状、改善、ケア方法について解説してきました。
腰痛は、放置してしまうと症状が更に悪化してしまう可能性が高くなるので、数日でも痛みが続くようならすぐに病院を受診することが重要です。
「保存療法」や「手術療法」といった治療法の他にも、治療院でのケアや自分で行うセルフケアなどによって、腰椎椎間板ヘルニアの症状を和らげることができます。
「若いから大丈夫」「少し休めば大丈夫」というように軽はずみな判断をせず、なるべく早く対処していきましょう。
今回ご紹介した記事が、あなたの腰椎椎間板ヘルニア予防や対策になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事を書いた人
山田 和也
1974年5月30日生まれ。北九州市小倉南区出身。
【保有資格】
柔道整復師(国家資格)
【経歴】
山口県下関市の整骨院で院長として4年勤務後、地元である北九州市小倉南区で整体院を開業する。臨床経験11年・延べ29400人の施術を行う。(令和2年10月現在)