【タオル1本で変わる肩こりケア】肩甲骨開閉ストレッチ
肩こりが取れない原因は肩甲骨の動きにあった
「マッサージしてもその場だけ」「翌日にはまた重くなる」
そんな肩こりに悩んでいませんか?
実は、肩そのものよりも肩甲骨の動きが悪くなっていることが、根本的な原因かもしれません。
「揉んでも戻る」肩こりの共通点
整体の現場で多くの方をみていると、「肩を強く揉んでもスッキリしない」「一時的に軽くなるけどまた戻る」という声をよく耳にします。
これは、痛みのある表面の筋肉(僧帽筋)だけをほぐしても、土台が変わらないため。
肩こりを繰り返す人の多くは、肩甲骨の動きが悪くなり、肩の筋肉が常に引っ張られている状態にあります。
肩甲骨が動かないとどうなるのか?
肩甲骨は、背中の上に浮かぶように存在している「浮遊骨」。
本来は、呼吸・腕・背中の動きに合わせて上下・前後・回旋と自由に動く骨です。
しかし、デスクワーク・スマホ姿勢・車の運転などで長時間同じ姿勢を続けると、肩甲骨は外側に開いたまま固まってしまうのです。
すると、
- ・首〜肩〜背中にかけての筋肉が常に引っ張られ、凝りが取れない。
- ・背中が丸まり、さらに肩甲骨が動きにくくなる。
- ・「肩こり→姿勢の崩れ→さらに肩こり」の悪循環に。
これが、肩を揉んでもすぐ戻る理由のひとつです。
肩甲骨が固まると起こる身体の変化
- 1.血流が悪くなる→筋肉が硬直し、酸素が届かず疲労が抜けない。
- 2.神経が圧迫される→首や背中の張り、腕のしびれを引き起こすことも。
- 3.リンパの流れが滞る→むくみ・冷え・だるさが肩まわりに現れる。
つまり、肩甲骨の動きが悪くなると、肩だけでなく全身の循環まで悪くなってしまいます。
肩を揉むより「動かす」ことが解決の近道
肩こりを改善する一番の方法は、「ほぐす」よりも「動かす」こと。
肩甲骨をしっかり動かすことで、
- ・硬くなった筋肉がほぐれ。
- ・滞っていた血流やリンパが流れ。
- ・背中全体が軽くなる。
といった変化を実感できます。
しかも、動かすことで再発しにくい肩にも変わっていきます。
タオルを使ったストレッチなら、誰でも安全に「動かすケア」ができるのです。
【まずは理解しよう】肩甲骨が固まると身体に何が起こる?
「肩甲骨」は、背中の上にある大きな三角形の骨。
実はこの骨は身体のどこにも直接くっついていない「浮いた骨」です。
筋肉や靭帯に支えられ、上半身全体の動きを調整するハブ(中心)のような役割を担っています。
肩甲骨が動かなくなると連鎖的に不調が起こる
【首・頭・腕にまで広がる影響】
肩甲骨が固まると、肩だけでなく、首こり・頭痛・腕のだるさ・手のしびれまで波及します。
それは、肩甲骨のまわりを走る筋肉が、首・背中・腕の神経や血管と密接に関わっているためです。
たとえば、肩甲骨の内側が硬くなると、首を支える筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋)が引っ張られ、結果として「肩こり→首こり→頭痛」という流れが起きます。
「肩だけが重いと思っていたら、実は肩甲骨が動かないせいだった」という方はとても多いのです。
血流の悪循環を生む自律神経の乱れ
肩甲骨まわりの筋肉が硬くなると、その中を通る血管が圧迫され、血流が滞ります。
血流が悪くなると、筋肉に酸素が届きにくくなり、疲労物質がたまります。
さらに、身体が緊張状態になると交感神経が過剰に働き、筋肉がさらに固まるという悪循環に。
これは、デスクワークやストレスを抱える現代人に非常に多いパターンです。
「肩がこる」と同時に「呼吸が浅くなる」「集中力が落ちる」というのも、この自律神経の乱れが関係しています。
姿勢・呼吸・肩の動きはひとつながり
肩甲骨は、呼吸や姿勢の変化に連動して動く骨でもあります。
たとえば、猫背になると背中が丸まり、肩甲骨は外へ開いたまま固定。
胸が閉じることで呼吸が浅くなり、さらに血流が滞ります。
逆に、肩甲骨を動かして胸を開くと、呼吸が深くなり、身体のリズムが整うようになります。
つまり、肩甲骨の柔軟性は姿勢と呼吸のバランスを保つカギなのです。
「肩甲骨が柔らかい人ほど肩こりになりにくい」というデータも
整体・リハビリの現場では、肩甲骨の可動域が広い人ほど肩こりの訴えが少ない傾向があります。
実際に、スポーツ選手やヨガを習慣にしている方は、日常的に肩甲骨を大きく動かしているため、肩こり・首こりが起きにくい身体を保っています。
これは単なる筋肉の柔らかさではなく、「血流が良く、自律神経が安定している」という全身のバランスの表れでもあります。
固まった肩甲骨を動かすことが全身を整える第一歩
肩甲骨の動きは、肩だけでなく、首・背中・腰・そして呼吸までも変えていきます。
そのため、肩甲骨を動かすケアは、単なる「肩こり対策」ではなく、全身の健康習慣でもあるのです。
タオル1本でできる!肩甲骨開閉ストレッチの基本
肩こりを感じたとき、揉むよりも効果的なのが「動かす」こと。
でも、「どう動かせばいいのかわからない」という方も多いでしょう。
そこで今回は、フェイスタオル1本でできる簡単な「肩甲骨開閉ストレッチ」をご紹介します。
このストレッチは、整体院でも実際にお伝えしているセルフケアで、首や背中の重だるさにも効果的です。
「準備と姿勢」正しいフォームが効果を高める
▸用意するものと環境
準備するのはフェイスタオル1枚だけ。
長すぎず、引っ張ったときに軽くテンションがかかる程度が理想です。
立っても、椅子に座ってもOK。
姿勢を意識できる方を選んで行いましょう。
▸姿勢のポイント
- ・背中を反らさず、腰を無理に伸ばさない。
- ・肩を上げず、リラックスして胸を開く。
- ・視線はまっすぐ前へ。
呼吸は「吸うと肺が広がり(開く)・吐くと肺が縮む(閉じる)」を意識します。
この呼吸に合わせることで、筋肉が自然に伸び、肩甲骨の可動域がより広がります。
基本動作ステップ
【Step1】タオルを肩幅より少し広く持ち、腕を上に伸ばす。
- 1.両手でタオルを持ち、肩幅より少し広めに。
- 2.腕をまっすぐ真上に伸ばします。
- 3.このとき、肘を曲げずに背筋をスッと伸ばすのがポイントです。
【Step2】息を吸いながら腕を下方へ(胸を開く)。
- 1.息を吸いながら、腕をゆっくり下方へ。
- 2.左右の肩甲骨を背中の中心に寄せる意識で動かします。
- 3.背中の中央がギュッと寄るような感覚があれば正解です。
胸を張るというより、「肩甲骨を寄せる」イメージで。
腰を反らさず、あくまで肩の動きを中心に意識しましょう。
【Step3】息を吐きながら腕を上方へ。
- 1.次に、息をゆっくり吐きながら、腕を上方へ。
- 2.このとき、肩甲骨が外側に動くイメージ(離す)。
「寄せる→離す」の動きで、背中全体がじんわり温かくなってきます。
【Step4】10回ゆっくり繰り返す(呼吸+肩甲骨の動き)。
- 1.吸いながら肩甲骨を寄せる。
- 2.吐きながら肩甲骨を離す。
- 3.この動きを10回行います。
スピードはゆっくりで構いません。
3分ほどで、背中や肩が軽くなる感覚が出てくるはずです。
【応用編】座ったままでできる肩甲骨リセット法

- 1.タオルを肩幅よりやや広く持ち、両腕を前に伸ばす。
- 2.息を吸いながらタオルをゆっくり引っ張り、肩甲骨を寄せる。
- 3.吐きながら戻す。これを5回。
わずか1分で、背中のハリと肩の重さがすっと抜けていくのを感じるはずです。
【ポイントと注意】安全に続けるために
・無理に引っ張らない
タオルを強く引っ張ると、首や肩を痛める原因になります。
「動かす感覚」を大切に、筋肉が自然に伸びる範囲で行いましょう。
・反動をつけず、呼吸を止めない
反動を使うと筋肉が縮んでしまい、効果が半減します。
常に呼吸を意識して、「吸って寄せる・吐いて離す」のリズムを守ることがポイントです。
・痛みが出る場合は範囲を小さく
もし肩や腕にピリッとした痛みが出た場合は、動きを小さくしてOK。
回数よりも心地よさを感じることが大切です。
背中が温かくなるのは血流が戻った証拠
このストレッチを行うと、多くの方が「背中がポカポカしてきた」と感じます。
それは、固まっていた肩甲骨まわりの血流が改善し、酸素が筋肉に行き渡り始めたサインです。
最初は軽い動きでも十分。
無理をせず、1日1回でも続けることで、「背中が軽い」「肩が上がりやすい」といった変化が出てきます。
肩甲骨を動かすことで得られる3つの効果
肩甲骨は、首・背中・腕をつなぐ上半身の中心のような存在です。
そのため、肩甲骨を動かすことは、単なるストレッチではなく「上半身まるごとのメンテナンス」といえます。
ここでは、肩甲骨を動かすことで得られる3つの代表的な効果を紹介します。
①【血流改善】冷え・だるさ・重さが軽くなる
肩甲骨の動きは「血の巡り」を変えるスイッチ
肩甲骨の周りには、大きな筋肉(僧帽筋・広背筋・菱形筋など)が集まっています。
これらの筋肉が硬くなると血管が圧迫され、血の流れが悪くなり、「肩が重い」「首が張る」「背中が冷たい」などの症状が現れます。
動かすことで筋肉がポンプのように働き、血液が心臓へスムーズに戻りやすくなります。
結果、肩まわりの温かさを感じ、だるさや重みがスッと抜けていきます。
温まる=血が通ったサイン
タオルストレッチの後に背中がポカポカするのは、血流が戻った証拠。
「冷え性」「疲れやすい」人ほど、効果を感じやすいポイントです。
②【姿勢改善】猫背・巻き肩が自然に整う
肩甲骨が正しい位置を覚える
デスクワークやスマホ姿勢で肩甲骨が外に開くと、胸が閉じて猫背や巻き肩が進行します。
肩甲骨を寄せて開く動きを繰り返すことで、本来の位置(背骨のやや外側)に戻る感覚が身についていきます。
引っ張る力をリセットするだけで姿勢が変わる
「背筋を伸ばそう」と力を入れるよりも、肩甲骨を動かして背中の筋肉をやわらかくするほうが自然。
筋肉がしなやかに動けば、無理なく美しい姿勢をキープできます。
姿勢が変わると見た目も変わる
胸が開き、首がすっと伸びることで、見た目の印象も明るく若々しくなります。
姿勢の改善は、単なる見た目以上に「呼吸の深さ」「代謝の良さ」にもつながります。
③【呼吸改善】胸が開いて酸素を取り込みやすくなる
肩甲骨と呼吸は深くつながっている
猫背姿勢では胸郭(肋骨の動き)が狭まり、呼吸が浅くなります。
肩甲骨を動かすことで胸の前が開き、横隔膜がしっかり上下に動けるようになるため、自然と呼吸が深くなります。
深く呼吸できると、酸素が身体のすみずみまで届き、代謝が上がって疲れにくい身体へ。
「頭がスッキリする」「眠りが深くなる」といった変化もこの効果によるものです。
「息がしやすい=身体が整っている」サイン
肩甲骨を動かして深呼吸をした瞬間、「背中まで空気が入る感覚」があれば、それは身体が整った証拠。
呼吸が整うことで自律神経も落ち着き、心の緊張までもほどけていきます。
肩甲骨を動かすことは身体と心をほぐすセルフ整体
肩甲骨を動かす習慣は、肩こりだけでなく、姿勢・冷え・睡眠・集中力など、日常の不調すべてをやさしく整えてくれます。
「肩が軽い」と感じる日は、自然と気分も前向きになります。
それは、身体の流れが整うと心の流れも整うから。
1日5分、タオルを使って背中を動かす時間…
それは、忙しい毎日の中でできる最高のリセット時間です。
ストレッチを安全で効果的に行う3つのポイント
肩甲骨ストレッチは、自分の身体をケアできる素晴らしい方法ですが、やり方を間違えると、かえって筋肉を痛めたり、逆効果になることもあります。
整体の現場でもお伝えしているのは、「頑張らず・止めず・続ける」という3つの基本。
たったこの3つを意識するだけで、効果がしっかり出やすく、安全に行えます。
①【痛みを我慢しない】痛気持ちいいくらいがベスト
我慢は逆効果
「しっかり伸ばさなきゃ」「効かせよう」と思うほど、筋肉は緊張して固くなってしまいます。
強く引っ張ったり、痛みを我慢して続けると、筋肉の繊維を傷つけてしまうことも。
心地よさが目安
ストレッチの理想は、痛気持ちいい程度。
少し伸びを感じるくらいで十分です。
動かすたびに「背中が温かくなる」「呼吸が楽になる」と感じられたら、それが適正ラインです。
②【呼吸を止めない】酸素不足で筋肉が硬直するのを防ぐ
呼吸が止まると身体は固まる
肩甲骨まわりの筋肉は、呼吸に大きく関係しています。
動作の途中で呼吸を止めると、筋肉に酸素が届かず、せっかくのストレッチが「力み」に変わってしまいます。
「吸うと開く・吐くと閉じる」をリズムに
タオルストレッチの基本は、呼吸に合わせて動かすこと。
吸うときに胸を開き、吐くときに肩甲骨を戻す。
この自然なリズムが、筋肉をゆるめ、血流を促すカギです。
③【継続を優先】1回で効果を求めず1日5分を続ける
「1日だけ」より「1日5分」を
1回で劇的な変化を求めず、小さな積み重ねを大切にしましょう。
筋肉は習慣化された動きで変わっていきます。
朝起きたとき、仕事の合間、寝る前など。
どんな時間でもいいので、毎日5分を続けることが何より大切です。
動かす習慣が肩こりの再発を防ぐ
整体院でも、肩こり改善の基本は「肩甲骨を動かすこと」。
施術で一時的に良くなっても、日常で動かさなければ元に戻ってしまいます。
だからこそ、自宅でのセルフケアが本当の意味での治療の延長線になるのです。
「安全に、気持ちよく続ける」ことが最短の近道
タオルストレッチは頑張る運動ではなく、動かすリセット習慣です。
無理をせず、呼吸と一緒にゆったり続けることで、あなたの肩は少しずつ軽く、動きやすくなっていきます。
タオル1本で軽い肩と深い呼吸を取り戻そう

肩こりは動かすことで改善する不調
肩こりは、凝っている部分を強く揉むよりも、動かして血流を取り戻すことが何よりの解決策です。
特に「肩甲骨を動かす」ことは、肩・首・背中のすべてを一度にゆるめる最短ルート。
筋肉が柔らかくなり、呼吸も深くなることで、身体全体の循環が改善していきます。
肩甲骨を動かすと全身が整う
タオルを使って肩甲骨を「開く・閉じる」だけで、滞っていた血流やリンパが動き出し、首・背中・腕が軽くなります。
背筋が伸びることで姿勢が整い、呼吸が深くなって頭もスッキリ。
まさに、「1日5分のリセットで上半身が変わる」感覚を実感できるはずです。
タオル1本でできる最もシンプルなセルフケア
タオルストレッチの魅力は、「誰でも」「どこでも」「すぐに」できること。
特別な器具もいらず、続けやすいからこそ効果が積み重なります。
たった1本のタオルが、肩こりを癒す「あなた専用の整体ツール」になるのです。
「毎日5分」が肩の重さを軽い習慣に変える
毎日続けることで、身体が覚え、姿勢が自然に整っていきます。
5分の積み重ねが、いつの間にか「肩が軽い自分」をつくる。
それが、セルフケアの本当の力です。
今日から試せるやさしい一歩を
肩こりは我慢するものではありません。
やさしく動かすことから始めるだけで、身体は確実に応えてくれます。
まずは今日、タオルを手に取り、「深く息を吸って、肩を開く」一歩を踏み出してみましょう。
その小さな動きが、軽やかな明日につながります。

この記事を書いた人
山田 和也
1974年5月30日生まれ。北九州市小倉南区出身。
【保有資格】
柔道整復師(国家資格)
【経歴】
山口県下関市の整骨院で院長として4年勤務後、地元である北九州市小倉南区で整体院を開業する。臨床経験15年・延べ33450人の施術を行う。(令和6年4月現在)
